会長あいさつ

 

会長あいさつ

 埼玉県高等学校国語科教育研究会のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。会長の鴨志田新一です。
 本研究会は、公立高校だけでなく、同じ志を持つ私立高校も加わった研究組織です。それぞれが研究や実践に取り組みながら、成果を共有し、埼玉県の高等学校国語科教育の充実、発展と生徒の資質・能力の向上を目指し、日々、活動をしております。
 令和5年度は、講演会や研究委員会、文学遺跡現地研修会、授業力向上セミナーなど、感染症防止対策を講じながら、充実した活動や研究をすることができました。コロナ禍で行動の制約が多かった間、学習指導要領の実施やDXの進展、働き方改革など、私たちを取り巻く環境は大きく変化しました。
 私ごとですが、平成5年に輪番で回ってきた常任委員になったことを機会に、高国研と深く関わることとなりました。研究委員会での公開授業、2度の音声言語指導事例集の執筆、平成11年に埼玉県で開催された全国大会での研究授業など、国語の教員としての力量を少しずつ高めることができました。また、縁あって教育課程実施状況調査を始めとする国の調査研究にも関わることができました。昨年度の第4回常任委員会後に開催された授業力向上セミナーでは、生徒に身に付けさせたい資質・能力を明確に示し、ICTを効果的に活用した主体的・対話的で深い学びの授業実践の発表がありました。是非、こうした取組を会員全体で共有し、埼玉県国語科教育の授業力の向上につなげてほしいと願っています。
 令和6年5月31日(金)には、さいたま文学館において、新旧常任委員会・総会に続き、ドルトン東京学園の沖奈保子先生を講師にお迎えし、「探究する古典~現代と古典をつなぐ~」を演題に春季講演会を実施しました。沖先生は、国語教育の先進的な実践者としてご活躍し、多くの著作もある方です。国立教育研究所が行った「平成27年学習指導要領実施状況調査」の生徒質問紙調査では「古文が好きだ」という質問に「そう思う」と回答した生徒の割合は11.8%という結果が出ています。古典離れが進む中、沖先生からは、古典を学ぶ意義や「古典と自分、今をつなぐ」「古典が現代、未来につながっている」という視点からの探究的な実践を紹介していただきました。大学時代に平安文学を専攻した身として、生徒に古典がおもしろい、好きになってほしいという思いを新たにしました。
 最後に、会員の先生方の御協力や御支援のもと、微力ながら、国語科教育の発展と振興に寄与してまいります。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。


令和6年6月 
埼玉県高等学校国語科教育研究会長  鴨志田 新一